私たちが「Meguri Ware™」を始めた理由。
こんにちは。
Maison Tojiオーナーのトウジです。
皆さまの食器棚には、「大好きだけれど、最近出番が少なくなってしまった器」や「素敵だけれど、もうこれ以上は入らない……」と諦めて捨ててしまった一枚はありませんか?
器を愛するほどにぶつかる、収納と、罪悪感と、そして環境の壁。
今日は、私たちが提案する返却モデル「Meguri Ware™(メグリウェア)」が、どんな想いと原体験から生まれたのか、少し長くなりますがお話しさせてください。
1. アイルランドの雨と、1ユーロの本
物語は、私が大学を休学してアイルランドで過ごしていた1年間に遡ります。
当時の私は、現地のアルバイトとフリーランスのダンス講師を掛け持ちする日々。正直に言えば、銀行の残高が胃袋と同じくらい空っぽな時期もありました。
そんな心細い異国の暮らしを支えてくれたのが、街のあちこちにあった「チャリティショップ」です。
日本でいうリユースショップに近いのですが、その佇まいは全く違いました。
低単価な品々が、まるでセレクトショップのように丁寧に、愛着を持ってディスプレイされているのです。埃をかぶった倉庫のようなイメージではなく、扉を開けるたびにワクワクする「雑貨屋さん」そのものでした。
お金はなかったけれど、そこで1ユーロの英語の本や、誰かが大切にしていたであろうティーカップを買い、大切に使う。
「いらなくなったものを、次の誰かへ、敬意を持って手渡す」
その美しくも合理的な循環の形に、私は言いようのない衝撃を受けました。
2. 下北沢の服にはなれない、器の「切実な事情」
帰国後、改めて日本の「モノ」の行方を見つめ直しました。
例えば、下北沢。古着という文化が町おこしになるほど、古い服を楽しむスタイルは定着しています。けれど、器はどうでしょうか。
器には、服とは決定的に違う「扱いづらさ」があります。
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収納の限界:服のように圧縮できないし、重ねるのにも限界がある。
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保管の難易度:割れ物ゆえに、適当に段ボールに詰めてクローゼットの奥に……というわけにもいきません。
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リセールの壁:いざ手放そうと思っても、ブランド品以外は二束三文。メルカリに出しても送料で赤字になることが多く、結局「捨てる」選択肢が一番近くなってしまう。
そして、最もショッキングな事実は、陶磁器のリサイクル技術はまだ発展途上であるということです。
不燃ごみとして出された器の多くは、再利用されることなく、そのまま土の中に埋め立てられます。
かつて日本には、お祝い事には食器を贈るという温かな文化がありました。けれどその裏側で、行き場を失った大量の器たちが今、音もなく埋め立て地を埋め尽くしているのです。作家さんが魂を込めて焼いた一点ものですら、その例外ではありません。
その現実を知ったとき、私は悲しい気持ちになりました。
3. 「物」と一緒に「記憶」を預かる
「器の寿命を、ゴミ箱で終わらせたくない」
「食器棚のスペースを理由に、新しい出会いを諦めてほしくない」
そのジレンマを解決するために考えたのが、ご購入金額の20%を当社が保証して引き取る返却モデル「Meguri Ware™」です。
私たちが預かるのは、単なる陶磁器の塊ではありません。コンセプトは「器と記憶が巡る」。
器は、あなたの食卓で流れる時間にずっと寄り添ってきました。
返却いただく際、ぜひ「この皿で子供の誕生日を祝った」「このカップで飲む朝のコーヒーが支えだった」といったエピソードを教えてください。
その「記憶」という価値を添えて、私たちは次の使い手へと繋ぎます。
それこそが、アイルランドのチャリティショップで感じた「敬意ある循環」の形だと信じているからです。
4. 現在の運用と、これからの約束
始まったばかりのこの取り組み、2026年5月15日現在はまだ小さな一歩です。
大切に、確実にお預かりするために、現時点では以下のルールで運用しております。
ご利用に関するご案内(2026年5月15日現在)
| 項目 | 内容 |
| 対象商品 | Maison Tojiの実店舗、またはオンラインショップで購入された全商品 |
| 返却方法 | 実店舗(店頭)への持ち込みのみ |
| 必要事項 | 事前の会員登録が必要です |
| 今後の予定 | 2026年夏までに、郵送での返却受付を開始予定です |
まずは実店舗からスタートしますが、遠方の皆さまもどうぞ楽しみにお待ちください。夏までには、全国どこからでもこの循環の輪に参加いただけるよう準備を進めております。
最後に:サーキュラーエコノミーの、その先へ
一店舗が返却モデルを行ったからといって、地球の環境問題が明日解決するわけではありません。
けれど、この「返却して、次へ繋ぐ」という選択肢が、日本で、そして世界で当たり前のもの(サーキュラーエコノミーのスタンダード)として確立される日を、私たちは本気で目指しています。
作り手へのリスペクトを忘れず、自分たちが住む地球を少しだけ労わりながら、もっと自由に、もっと欲張りに器を楽しむ。
そんな心地よい暮らしを、Maison Tojiと一緒に始めてみませんか?